machinohanashi 街のはなし
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朝起きたらまず見たくなる場所

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うちから見えるゆるやかな傾斜のこの団地の庭がいちばん好きな場所です。
朝起きたらまず見たくなる。

下の子がおなかにいた、14年前に引越してきました。
いま、その子が中学2年生。
初めて来たとき、遊歩道ですれ違う方々は、必ず会釈か「こんにちは」って声をかけてくださって、いいところだなー、と、一目で気に入りました。

ここはいまの緑の時期もいいんですけど、私がいちばん好きなのは雪がいっぱいつもった朝。
もう、すごく素敵です。
近所の子どもがみんなスキーウェアを着込んで完全武装で、ソリ持っていっぱい集まってきて、ソリすべりをするんです。長いソリにもう4人も5人も乗ってシャーって滑ったりして。いい感じにスピードがでるんですね。
雪の朝は誰がいちばんに滑るか、みたいな早起き競争になってます。

あ、あと、いま幼稚園の子の間で流行ってる遊びがあるみたいなんです。時折「キノコ探検隊」ってきこえてくるんです。
キノコ探検隊。じめじめしてる場所もあるので生えてるみたいなんです。
「こっちにすごいの見つけた!」とか、「白いの発見!」とか、声がきこえてくるんです。かわいいですよね。

それから、お隣に住んでいらっしゃるご夫妻の旦那さまが世界的な紙飛行機の工学博士で、作成された紙飛行機を、奥さまとふたりでここで飛ばしている風景をよく見ます。
あるとき奥さまがひとりでここをふわっと歩いていらして、ちょっとお声がけをしたんですね。
「こんにちは、ご主人は?」って。
そうしたら「そうね、もうそろそろかしら」って言われて、何がもうそろそろなんだろう?と思ったら、
「あ、来たわ」って。
ブーンて音が聞こえてきて、上空を見たら飛行機が横切ったんですよね。
何人かで自家用の飛行機を持ってらして、その日は上空を飛ぶ日だったんですね。
日常の中のちょっとした非日常的なひとときでした。

運良くここに巡り合えて、ほんとうに良かったです。

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